人には人の地獄がある

 

「あなたより苦しんでいる人がいるんだから」という言葉は、最低だ。自分が苦しんでいる時に、なぜ他人と苦しみ度合いを比較しなければならないのか。苦しんでいるのは自分であって、あなたではない。

 

自分を奮い立たせるためのマインドとしては良いと思う。あくまで自分で「自分より苦しんでいる人がいるんだから頑張らなきゃ」と思うのであれば、それは非常にポジティブで素晴らしい。

 

しかし、人から言われる筋合いはない。あなたはわたしの何を知っているの?

「あなたより苦しんでる人がいるんだから〜」→今わたしは苦しいです

「あなたは恵まれてるんだから〜」→わたしは恵まれてると思ってないです

「もっとダメな人があなたの愚痴を見たらどう思う?」→知りません

 

例えば、あるスポーツで上級レベルにいるあなたは、壁にぶち当たっているとする。上級と最上級の壁だ。あれこれ悩んでいたら、下級〜中級の人が現れて「お前上手いじゃん、それでダメだって言われたら俺たちなんかどうなるんだよ」と言う。

 

正直、「知らねえよ」って感じだろう。ここで「確かにそうだな、ごめん」と思い、考え方を改められるほど僕は出来杉くんじゃない。

人には人の悩みがある。全ての名声を手に入れているようなカースト最上位層の人でも、その域に達した者だけが理解し得る悩み・苦しみを持っているだろう。

 

妬み嫉みだけではなく、優しさから来るものもあると思う。しかし、時にその言葉は人を殺すことになるということを肝に銘じておく。

 

人には人の地獄がある。